
第三回 システムに「理解」を実装する
この記事は「第三回 システムに「理解」を実装する②」の続きです。
<産業領域の人へのメッセージ>
伊井 産業領域の人にもっと家族心理学、家族カウンセリング、資格についてなどを知っていただくためには、どうすれば広まっていくと思いますか?
また、同じ領域にいらっしゃる方に、家族相談士として何かメッセージがあればお願いします。
山下 さっきと重なるところもあるんですけども、家族心理学は本当に大事な心理学です。生きていく上で全ての人が学んだ方がいいと思っています。しっかり学ぶことで心理の仕事に限らず、とにかく人に関わる仕事はどうしても心理面の交流で感情の行き交いがありますので、そこで役立つ部分でもあるんですよね。
私も正直、家族相談士という資格そのもので『家族問題を解決します』という形でのサポートを今後やっていきたいと思ってるんです。この産業分野とは別に。そこは今からなので、そういう意味ではまだ資格を生かしきれていないところではあるんですけども。
今の産業分野の中でも、悩みやストレスを抱えたり、メンタルをダウンされている方々の問題の背景には、家族問題がかなりの確率で関わっていたりします。この資格を持っていることで、対人支援の幅や奥行きが広がる。先ほど言ったように、その人の解像度が高くなることで、支援の質が変わってくると私は思っています。そういう意味でもこの家族心理学を学んだり、家族相談士という資格を取って仕事に活かすことを強くおすすめしています。
伊井 先ほど山下さんがおっしゃっていたように、産業領域の方々には、ブリーフセラピーや家族カウンセリングとの相性が良いように思います。家族は最小単位の組織みたいなものでもあるわけじゃないですか。なので家族を見ることで、組織そのものを見立てる時も役に立ちそうな気がしますね。
山下 実は高度な部分にはなるんですけども。私も最近、ようやくできている部分が組織システムへの介入ですね。パワハラの問題など、いろいろあるんですけどそれもやっぱり個人の問題というよりは、組織のシステムというところを捉えていく必要があります。単に行為者を罰するとか、被害者を救済するだけではなくて、システムそのもののパワーバランスを少し変えるだけで、大きくそういうことが起きなくなるみたいなこともありますので。そういうシステムズアプローチ的な部分は家族療法と通じるところがもちろんあります。そこは多分もう一つ、本当にレベルの高い話だとは思うんですよね。
まずは個人のサポートで、普通はカウンセラーの方々もそこで精一杯だとは思うので。ただ冒頭にお伝えしたように心理カウンセラーというのは、一対一での支援だけで食べていくのは大変なんですよね。そういう意味では産業分野というのは、広がりがあったり会社ごとサポートのようなことがあるので、ビジネスに繋がりやすかったりします。現実的な話になって恐縮なんですけどもそういう部分もあるんです。
そういう中で、家族療法やシステムズアプローチはやっぱり会社組織を支援していく上ですごく大事な考え方なので、そういう意味でもとても有用なジャンルだと思います。
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山下さん、ありがとうございました!
次回の記事では会員の藤原真弓さんに、対談形式でお話を伺います。